春ゆきてレトロチカの Steam 版をクリアしたのでネタバレなしレビューです。よかった点、惜しい点などを書いていきます。ネタバレ解禁したらネタバレパートも追記します。
最初に総評です。自分は元からミステリー好きということもあり、そうでない方と比べるとハードルは高めです。また一般的なトリックのセオリーや、推理をする上でのコツなどもある程度把握しているという前提での評価です。
このゲームは推理 SF ものを初めてプレイする人にとって良い入口だと思いました。全体的にドラマ仕立てのムービーゲーで、サウンドノベルゲームと比べて一般的に受け入れやすくなっています。登場人物には俳優を起用しており、演技の違和感はまったくありませんでした。時代を超えてさまざまな役柄を同じ俳優が演じますが(マルチロールシステム)、それぞれキャラクター性が異なっていて素直に受け入れられました。
また、フェアプレイなミステリを掲げており謎解き自体もそこまで難易度は高くなく、共犯者はいないと最初から明言されているため慣れていない人でも真相に辿り着く前にドロップする、といったことは起きにくいです。最終的な驚きや納得感は(無骨さに目を瞑れば)ある程度あるので、この作品からステップアップして小説だったり他ゲームに行ったりがスムーズにできると思います。
また UI に関しても独自のものを開発していて、ムービーから拾ったヒントを仮説へ繋げていく作業は「あー確かにそういう考え方もあるか」と色々な発見があり面白かったです。たまに混じるそうはならんやろというものも含めて楽しめました。一点不満をあげるとすればマウスのほうがパズル操作はやりやすいですが、他の操作はキーボードでやったほうがスムーズでどちらかで完結しないので慣れるまで大変かもしれません。
ちなみに海外のメタスコアでは 76 点だそうです。日本が舞台のゲーム日本らしさ求められがち(外国人の中の日本)。
https://gamepedia.jp/archives/75261
素人目から見てもかなりお金がかかった、製作陣愛の伝わる作品です。推理ものに興味のない人も短編ドラマを観る気持ちで始めてみてほしいです。特に麻倉ももファンは必ず買ってください。現場からは以上です。